翻刻
御目より見給へは皆人御子なりさすれは人みな
兄弟も同様也天と君との御|恵(めぐ)みにていける人なれ
は人の飢死(うへし)するをいかて救(すくは)ざるへき米穀金銀握(べいこくきん〴〵にぎ)り
つめ余(あま)り有るをほどこさざるは天にそむき君にそむく
の罪(つみ)人なれはいつしかわざはい来りて其家を亡(ほろぼ)すべし
富(とめ)る人は此わけを能弁(よくわきま)へて人を救(すく)ふべし貧(まづし)き者
もうすきかゆをすゝりそじきを食其身を慎(つゝし)みみたり
にさわくへからす麁食(そじき)の品〻食つなくの心得は
救荒便覧にしるせり恵みをほとこす心得は廣恵
編像解に委しけれはこゝにいわすあまねく飢(うへ)を
救(すく)ふの心得は先五合の米壱人一日の食(じき)なるを粥(かゆ)に
つくりかてをましふれは一日五人の食となる夫を積(つもれ)ば壱
斗は一日百人を養(やしの)ふ一石は千人十石は壱万人なり
是を天か下にならせはおびたゝしき救(すく)ひとなりて
幾年(いくねん)も飢饉(きゝん)をしのくべし又|富(とむ)人|酒宴(しゆえん)の費(ついへ)を
はぶかは幾(いく)人をか生(いか)かすべき酒壱升三百銭なるを