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コレクション: STAGE8

大地震 津涛乃奇談 第二集 - 翻刻

大地震 津涛乃奇談 第二集 - ページ 3

ページ: 3

翻刻

懇意(こんい)なる故 見廻(みまい)に来りて地震の節は舟に 乗(のる)にしかじと勧(すゝ)めしかは尤の事とおもひ舟を 借(か)りて川端(がんぎ)に繋(つな)ぎ置(お)き心用意(こゝろようい)せしに四日 の夜も小 震(ゆり)度々なれば震 度毎(たひごと)に設(まう)けし 舟に至りゆりやめば又家に帰(かへ)り神棚(かみだな)に燈明(とうめう)を捧(さゝ) げ仏前(ぶつぜん)に額(ぬかづ)き信心(しん〴〵)して居たりしに五日の朝に いたりては左迄(さまで)の震もなく少し落着居(おちつきい)たり しに昼(ひる)七ツ半時頃に至り前日よりも猶烈(なをはげ)しく 震(ゆりい)出しければ主人(あるじ)家内(かない)に示(しめ)していふやうは 昨日(きのふ)の地震(ぢしん)に塀倒(へいたふ)れ家崩(いえくづ)れ手過(てあやま)ち怪我(けが) 人等(にんとう)もありし由なれば早(はや)く火をしめして舟に 乗(の)るべしと主人(あるじ)女房(にようばう)息子(むすこ)幼(おさな)き娘(むすめ)下女(げぢよ)と都合(つがふ) 五人 周章(あわて)ながら船に至りしに暫時(ざんじ)の程(ほど)は地震 の恐(おそ)ろしさに前後(ぜんご)をも弁(わきま)へさりしに漸(ようや)く震(ゆり)も