翻刻
最寄を以はなれ場所を見繕ひ小屋を掛
夜分ハ不残火をしめし火の用心ともに堅固ニ
いたし小家豪家ニ至ル迄家にかまはす彼ノ
小屋にて夜を明し候事数日なり然ルに四月十日
迄折々動き有十日朝震動雷電夥しく
空鳴り渡り大風雨南ゟ吹来ル端々家吹たおし
大木吹折或は根こき一通りなりさる事
四月十三日申刻水留り築埋ミ場水九分通り
成候処途中江穴出来泥吹出し間もなく
押破れ丹波嶋辺川筋は勿論平押にて
流候場所小市村不残流れ《割書:尤此内金持之酒屋壱軒有|金三千両余床前之柱に》
《割書:隠候所拵山逃り之節も持参致候而ハ不用心と心得水押来り候ハヽはやく|持出し候様を思ひの外一たんの水にて間ニ合兼金子諸道具不残流し候よし》