翻刻
東西もわからぬ中へ飛出し逃道の急難
御救被下候事全ク如来様の御助け給ふ也と
難有御事《ルビ:に|と》心懇に徹し拝礼す
又ハ善光寺町人之内何某《割書:但し柏屋定助と|言ふ旅籠屋の由》元より
信心深く貧窮之者へ施し慈悲心専らに
して旅籠銭百文も戻し候由《割書:此訳ハはたこ屋仲間相極|ニ而旅籠銭壱人前ニ而》
《割書:弐百五拾文もと申由ニ而余り非道と心得|外ニ名を付わらし銭とか申て戻し候由》此壱軒家内ハ勿論旅人迄
死失怪我人無之と申事有弥悪心之者も
善心ニ翻り信心なさけを知り給ふべし
大地震其夜凡弐拾度斗廿五日昼拾四五度
夫ゟ昼夜五六度ツ廿九日迄有之町方ニ而ハ
何方ニ而も軒並ひ町家造りの場所ハ夫