翻刻
【右丁】
あら山桜 仝
いつみなるあら山桜咲ぬらし槙のはしのきかゝる白雲
岩本桜 後九条内大臣
玉川や岩本桜あさな〳〵落ても花はあはとうきなん
はひ桜 知家
ふる山の岩根にふせるはひ桜霞の内を得■立たね
姨捨桜 具親
今よりは秋姨捨の山桜月と花とのありあけの頃
【左丁】
尾越桜 洞院摂政
いこま山あたりの雲とみる迄におこしの桜花咲にけり
伊駒桜 為家
咲にけり雲の立まふいこま山花のはやしの春の明ほの
夕山桜 行家
春の日の夕山桜咲にけり朝ゐる雲に詠せしまに
中川渡桜 為家
中川の渡りの桜むかしより先咲花とみしもかはらす