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第十章
大洋(だいやう)
地球(ちきう)外面(ぐわいめん)陸地(りくち)を除(のぞ)くの外(ほか)、其|周囲(しうゐ)尽(こと〴〵)く洋水(やうすい)の包(つゝ)
む所(ところ)と為(な)り、海湾(かいわん)海峡(かいけう)等の分別(ふんべつ)あるも、広(ひろ)く之を
見(み)れば一大洋(いちだいやう)たるに過(すぎ)ず、○洋水(やうすい)はかく一連続(いちれんぞく)
せるものといへども、猶(なほ)之を分(わか)つて五区(ごく)となす、
一を大北洋(だいほくやう)、二を大東洋(だいとうやう)三を大南洋(だいなんやう)、四をインデ
ヤ洋(やう)、五を大西洋(たいせいやう)と云ふ、○大西洋(だいせいやう)と陸地(りくち)と分界(ぶんかい)
の線(すぢ)、最(もつと)も延長(えんちやう)なり、しかれども其|水面(すいめん)の広(ひろ)き事
は、大東洋(だいとうやう)に及(およ)ばず、大|西洋(せいやう)と陸地(りくち)分界(ふんかい)の線(すぢ)は四
万八千里の長(なが)さあり、大東洋(だいとうやう)と陸地(りくち)分界(ふんがい)の線(すぢ)は
四万一千五百里なり、大西洋(だいせいやう)の周囲(しうゐ)の殊(こと)に遠長(ゑんちやう)
なるは、洋水(やうすい)陸地(りくち)の間(あいだ)に出入(しゆつにう)して、大(おほ)いなる海湾(かいわん)
江港(こうこう)をなすもの衆多(しうた)なればなり、
洋水(やうすい)の色(いろ)
洋水(やうすい)に就(つい)て論(ろん)ずべきものは、色(いろ)、鹹味(かんび)、温度(おんど)、浅深(せんしん)、踈(そ)
密(みつ)、平面(へいめん)、運動(うんどう)等なり、夫(それ)洋水(やうすい)の色(いろ)は蒼緑(そうりよく)にして、其
陸(りく)に近(ちかづ)くに随(したが)ひて、漸(やうや)く淡色(たんしよく)と為(な)る、かく洋(やう)水の