翻刻
極地(きょくち)に走(はし)る所(ところ)の空気(くうき)の流(なが)れを示(しめ)す、《箱:キ》《箱:は》《箱:い》は極(きょく)
地(ち)より赤道(せきどう)に奔(はし)る所(ところ)の空気(くうき)を示(しめ)す、地球(ちきう)もし運(うん)
転(てん)せざる時(とき)は、この空気(くうき)の流動(りうどう)直北(ちょくほく)直南(ちょくなん)に進(すゝ)む
べし、しかれども地球(ちきう)日々(まち〳〵)西(にし)より東(ひがし)に転回(てんくわい)する
が故(ゆゑ)に、北半球(ほくはんきう)に於て、空気(くうき)東北(とうほく)に走(はし)り、南半球(なんはんきう)に
於ては、空気(くうき)東南(とうなん)に進(すゝ)む、赤道(せきどう)の地(ち)日々(ひゞ)に一時間(いちしかん)
一千里の度(ど)を以(もつ)て、西(にし)より東(ひがし)に迴(めぐ)る、しかれども
緯度(ゐど)六十|度(ど)の地(ち)に在ては、一|時間(じかん)の転回(てんくわい)漸(やうや)く減(げん)
して、六百里となり、極地(きょくち)に至(いた)つては、全(まつた)く転動(てんどう)な
し故(ゆゑ)に空気(くうき)の流動(りうどう)両極(りやうきょく)より来(きた)るものは、その過(すぐる)
所(ところ)の地面(ちめん)の転動(てんどう)より、其|速度(そくど)少(すくな)く、地球(ちきう)は其|空気(くうき)
より甚(はなは)だ速(すみや)かに運動(うんどう)すれば、空気(くうき)は其(その)速動(そくどう)に従(したが)
ふ事|能(あた)はずして、漸(やうや)く後(おく)る、詞(ことば)を換(かへ)て之を談(だん)ずれ
ば空気(くうき)直北(ちょくほく)に流(なが)るべきを東北(とうほく)に奔(はし)ると云べし、
○乙図(おつづ)の《箱:セ》《箱:せ》は赤道(せきどう)なり、《箱:ホ》《箱:キ》は北極(ほつきょく)なり、《箱:ホ》よ
り来(きた)る空気(くうき)の流(なが)れは、熱帯(ねつたい)地方(ちはう)に入来(いりきた)りて、《箱:ホ》《箱:せ》
に於て漸(やうや)く広(ひろ)し、また《箱:ホ》より来(きた)るものも、《箱:ホ》《箱:セ》に
到(いた)つて亦(また)然(しか)り、また上層(じやうそう)の空気(くうき)は、一時(いちじ)一千里の