翻刻
山家夕 りつにかよふ声も殊更山里は
うきをしらぶるまつの夕風
く 鈴木弥左エ門直行
山家夜 くもはらふ風に落葉の音添ひて
ふける夜さびし山住の庵
は 古内治太夫義長
山家風 はれ曇り時雨るゝ夜半の秋風に
淋しさまさるやま住の庵
う 安田甚左衛門重寛
山家雲 うつむるゝ雲に戸さして朝夕に
かゝる深山の庵そ住うき
に 桑原庄作重富
山家煙 にはも外も紅葉にかこふ山里の
秋のゆふべの煙り淋しき
よ 遠藤喜平為常
山家雨 よははれて住なす庵の軒端にも
あまりさびしきゆふくれの雨
ら 猪苗代兼郁
山家路 らにも咲菊もいろこき山路さへ
誰かわけ来る秋の隠れ家