翻刻
シテ最浴者ニ授クルノ材ニ供ヘシモノナリ今之ヲ
編綴シテ鎌先温泉由来記ト為ス浴者カ是ニ由テ
循々其屈心ヲ開テ其身体肌ヲ養ヒ進治健全
タランコトヲ庶幾ス
明治廿二年初春 編者識
温泉主一条一平秘蔵什宝
一 巌ヲ穿チ温泉得タル鎌
一 珠殻《割書:後藤伯の観察往古の「ルツボ」ならん|有る化学者ハ「ルニーウル」ならん》
珠殻は其形ち茶釜に
似て沙礫透間もなく
附着せり思ふに鉄釜
の土中に久しく埋れし
ものならん歟観迹聞老
誌に此地の名称を釜崎
と記せり必ず故有るならん
聊記して考証家の参考に
供すとあり這は非なるへし
聞老誌の編者鎌釜の同訓なれハ
あやまりて書たるべし