翻刻
奥刈田郡有温泉盖正長元年白石農夫樵于山求
飲乃以鎌穿巌温泉沸焉人試浴之病悉愈矣故地
亦名鎌先也建薬師閣於此康正元年邑大浸以堙
鎌先温 焉天正七年其畔有一苾芻夢仏陀之瑞奇而鑿之
泉碑銘 則又沸焉然後享保中地震重堙焉無幾遂沸焉復
旧云察之数堙数沸其有神護耶管轄者一条安蔵
其祖長吉京師人古昔避乱来此請樹碑記事故銘
霊液有源 神瀵不啻 以洗厥心 疵癘茲已
仙台 滕太沖撰
石度《割書:竪 四尺九寸五分|幅 二尺一寸五分》
鎌先(かまさき)温泉(おんせん)由来記(ゆらいき) 《箱:石本文庫》【印】
石川茂実翁 編緝
夫(それ)本邦(ほんはう)の温泉(をんせん)は神代(かみよ)の往昔(むかし)衛生(えいせい)調度(ちやうと)の術(じゆつ)未(いま)だ
開(ひら)けざりし時(とき)万民疾病(ばんみんしつへい)夭折(ようせつ)の患(うれい)を救(すく)はんがた
め大已貴命(をほあなむつのみこと)宿名彦那命(しゆくなひこなのみこと)諸国(しよこく)に温泉(をんせん)を取立(とりたて)給(たま)ひ
しより以来(いらい)諸民(しよみん)病患(びやうくわん)平愈(へいゆ)することを得(え)たり然(しか)
してより後(のち) 上王侯(かみわうこう)より下庶人(しもしよにん)に至(いた)る迄(まて)常(つね)に
養生(ようしやう)遊楽(ゆうらく)慰(なぐさ)みとて所々(しよ〳〵)の温泉(をんせん)に浴治(よくぢ)すること
古今(ここん)隆(さか)んなり抑(そも〳〵)温泉(おんせん)は天地(てんち)自然(しせん)の妙機(めうき)成(な)る所(ところ)
にして人体(にんたい)肌(はだ)膚(ゐ)を膏沢(かうたく)し関節(くわんせつ)経絡(けうらく)を融通(いうつう)して