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奇絶?也古へ此薬師堂に古法眼元信かへきたる牛の画の一
額ありしか洪水の時流失たりとあるものにて見しことありしか
は寺僧に問ふに曽てしらすやくしの堂の前後に大なる松二本
あり就中堂の前の一本は根ゟすこし上りて二股に着棺
生しけりていとめてたし此外松猶数多あり堂のかたはらに
碑一基あり文字読へからす石出帯刀往来建たる也と云
春は偶尋ねくる人ありとそ牛田の堤をゆへ千住の方へ
行は大川の入堀ありその猶西田の中に小祠有是を関屋
天神と云方二三間斗土の小高き上に小祠鳥居もありす
来よりの祠也といふ畔の小道をつたひて参るこの頃宿願の子ありて亀戸
天満宮にまふつる事あり今日しも廿五日なれはかしくに参るへきをさり
かたき事にひかれて千住より此あたりへ来りはからずも爰に詣
つるはいか成すくせにやあらん亀戸といひ関屋といひ所こと也といへとも
神はもと同し心つ燈しの神也とかたはしけなくて
一すき河浪のよるへの磯菜をや心はりの手向には舞
しくれ降枯生の薄それをたにたてなからこれぬさに弓也
是は夢神
正靖按するに枯生乃にてましましすや武蔵の北野は物部は物部の天神にてまし
ますを変神に混して聞てよそにうつし祭り奉るをは菅神とす
こその天神と申来るもひたふるに夢神とし奉らんも覚束なきやう也