翻刻
地震
末代
かゞみ
凡世界(およそせかい)は賢徳(けんとく)の御代(みよ)といふ共|時(とき)として
天変地妖(てんべんちよう)なきにしもあらず去(さり)し元禄(けんろく)十六の
とし霜月(しもつき)廿二日|夜丑(ようし)の刻過(こくすぎ)の地震今(ぢしんいま)にもて
ことにふれては人口(じんこう)にのこれり是(これ)は當安政(たうあんせい)二卬(う)
のとし十月二日|亥(ゐ)の刻過俄(こくすきにはか)に大地震(おほぢしん)して
天地(てんち)も覆(くつがへ)るがごとく鳴動(めいどう)おひたゞしく引(ひき)つゞき折〳〵(をり〳〵)
ゆれるがゆへに衆人魂(しゆうじんたましひ)を冷(ひや)す其上所〻出火(そのうへしよ〳〵しゆつくわ)して
侯家民屋(こうけみんをく)とも潰家(つぶれや)并|焼亡(せうぼう)多(おほ)し仍(よつ)而|諸(しよ)こくへ
通便(つうべん)のため委(くわ)しく爰(こゝ)に書記(かきしる)し乎