翻刻
産出(さんしゆつ)す、○鉱物(くわぶつ)の天下(てんか)に布籍(ふせき)するや、甚(はなは)だ広(ひろ)くし
て、之を産(さん)せざる国(くに)は殆(ほとん)ど稀(まれ)なり、
○金属(かねるい)、
金属(きんぞく)は時(とき)あつて其|純(じゆん)なる者(もの)を得(う)る事(こと)ありとい
へども、大約(たいやく)他(た)の鉱物(くわうぶつ)と混合(こんがう)して、岩石(がんせき)の状(かたち)をな
す、之を鉱石(くわうせき)と云ふ、○金属(きんぞく)の尤(ゆう)なるものは、黄金(わうごん)、
白金(はつきん)、銀(ぎん)、精錡(とたん)、鉛(なまり)錫(すゞ)、水銀(みづかね)、コバルト、砒石(ひせき)、アンチモニ
ー、及(およ)びビスモート是(これ)なり、
黄金(わうごん)、
黄金(わうごん)は、金属(きんぞく)の至貴(しき)なるものとす、大約(たいやく)金塵(きんぢん)と号(ごう)
する砂粒(しやりう)の如きものにて純(ぢゆん)なる者を得(う)、塊(くわい)をな
して産出(さんしゆつ)するもの甚(はなは)だ稀(まれ)なり、適(たま〳〵)これあるも重(ちよう)
量(りやう)一二ポントを過(すぐ)る能(あた)はず、その産出の地方左の
如し○アシア洲(しう)、此洲(このしう)金(きん)を産(さん)する地(ち)多(おほ)し、西方(せいはう)
シベリヤを殊(こと)に多(おほ)しとす、ユーラル山下(さんか)の鉱坑(くわう〳〵)
も産出(さんしゆつ)甚(はなは)だ多(おほ)し、 皇国(くわうこく)黄金(わうごん)の多量(たりょう)を出(いだ)す、
○エウロツパ洲、此|洲(しう)金(きん)を産(さん)する地(ち)甚(はなは)だ多(おほ)
し、しかれども多量(たりやう)の金(きん)を産(さん)するもの一所(いつしよ)あら