みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE9

那為の後見艸 全 - 翻刻

那為の後見艸 全 - ページ 29

ページ: 29

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      紀聞十一條 松栄院様晴光院様誠順院様精姫君様綿姫君様共 に御住居向御大破により御本丸へ御立のき御逗留遊は され亦又美賀姫君様は当月五日京都より御本丸へ御下着 即日一ッ橋御館へ御引移りの筈なりしに右御館御破損 により同夜御本丸に御逗留ならせらるゝろ云溶姫君様 精姫君様ハ御住居御破損により其庭内へ御仮家を立 られ夫に居らせなひ未姫君様のミ御別条なきよし きこへけれと右御住居の隣家福岡矦の長屋潰れし 程のゆりなれハ全く御破損なしとハおせわれさる也是らを 以てもこたひのなひの災厄甚しきをしるべし 会津矦和田倉内の屋敷ハ地震潰の上残りなく焼失 せしかば家来の王氏怪我人多しとなりとり分奥向 つかへの婦女るいは憐むへき事二て錠口開くへきい とまなけれハむなしく焼失死し二三百人の中にて わづか二三十人ならては助からざりしと云此事風評 なれ共左も有へき筋に聞へたり是をもつて外大名衆之 事をも推しはかるへし 武藤秀之丞屋敷ハ船河原橋《割書:俗にどんど|はしといふ》の東江戸川辺也 家作忽ち潰れて養子桜橘只々獨り早く外へはせ出す