みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE9

那為の後見艸 全 - 翻刻

那為の後見艸 全 - ページ 36

ページ: 36

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新吉原五丁町ハ地震鳴動するとひとしく娼家一同ゆり 潰れ火災〳〵として八方ゟ燃出し廓中一面の大火とな るされは裏々の反橋を下ㇲに暇なく又たまさか下さ んとするもの有ても反橋損して渡す事かなわす大門一 方の出口となるゆへ烟にまかれ火に焼れ家に潰され又幸 におしをまぬかれたるも家根をこほち壁を破りて助 け出ㇲの人なけれハ空しく火の燃来るを待つて焼死ㇲ 斯の如くなれは手負死人夥しく実に目も当られぬさま 也其中遊女死するもの八百三十一人客其外此処へ来りし もの四百五十余人茶屋并廓中の諸商人芸人等凡千四百 余人惣〆死人弐千七百余人と云且土蔵ハ一ッも残らす只々 西河原の家少々残り又五拾間道の片側残らと云《割書:此焼死人|の数前に》 《割書:出せし書上と相違せるハ全く|表向二内実との差別ならんか》 牛込辺に一人の狐つき有けるか当十月二日口ばしりていふ 大変なるゆへ十八日迄帰り来らすといひさまとどめる 人振拂ひて一さんに駈出何方へか行しか翌二日の夜大 地震にて右の居宅震り潰れ近辺も潰れし家夥敷 横死怪我人有しとなり彼狐つき其後早速帰り 来らさるにより又もや大地震ならんかと此辺のう わさ今にやます