翻刻
いかへ出かけた土岐にハ評判よくつて其甲斐ないのは無
理てもねへのさ伊勢風吹せた但馬の老ほれ安房の河
内のてに助野郎か己れか身上二引別しやアがつて天下の
長者の台所詰るハとうしたこんだよ己れハ配下の勘定
役にも算盤玉ゟ鉄炮玉とてケヘルヲかつかせ夷人の
まねして真黒出立て調練させるハ当氣のしれ者同
しき息子も御見置騒きに薩摩の家中ハ口論始て
終にハ誤り屁腰をしやつて逃出すなそとハひきゆうの腰
抜漸く諸人の恨か積て眼の玉飛出し死んたちやな
いかへ悪をも積ねは其身を亡す迄には至らすケ様
奴らか段々くたばりや天下ハ泰平国家は豊に成
のハ目の前今にハ伊勢とん并た役人天下の政事して
あつかる小人悪僧か寺中にたしへ住たる狸ぢや
なけれど終にハ尻尾を出すであるだろヤンㇾー〳〵
上州館林在
茂林寺客僧
父福作