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コレクション: STAGE1

諸國大地震年代記末代噺種 - 翻刻

諸國大地震年代記末代噺種 - ページ 11

ページ: 11

翻刻

   地震津波落はなし 〽物(もの)にはみな陰陽(いんやう)のあるものじやか此たひの 地(じ)じんは陰(いん)かいナ陽(やう)かいナ〽何(なに)をいふぞいかみなりは 上からくるによつて男(をとこ)しや又じしんは下(した)から持(もち) あけるさかい女(おなこ)しや〽なんの地震(じしん)が姫(ひめ)てたまる ものか〽イヤ姫(ひめ)のしやうこがある前方(まえかた)善光寺(ぜんこうじ)へ 往(い)て惚(ほれ)さそふとおもふた所(ところ)が何をいふても片田舎(かたいなか) じやによつて大勢(おゝせい)をふつて戻(もどつ)つ来(き)たそこで 皆(みな)にいやかられた又 此(この)夏(なつ)も奈良(なら)から伊賀(いが) 辺(へん)へ出(で)かけたところが皆(みな)にいやかられたそこて地震(じしん) 此度(このたび)はなんても惚(ほ)れさそふとおもふて朝(あさ)の間(あいた)から ゑらゆすりにゆすつて出(で)たのじや あほういへだれが 地しんにほれるものかあほういへないとはいへぬゑら ゆすりにゆつてじや有(あつ)たによつて   落〽とふ〴〵津なみが打込(うちこ)んだがナア    大津波末代噺種 宝永四《割書:嘉永七甲子迄|百四十八年に成》十月四日大地震後津波となる 道頓堀に入て群る舩に橋〱を落はし既に中橋に 舩せまり早中程の板二三枚落けるに人々渡りかゝり 踏外して落るもあり又身かるく飛越るもありかゝる所に年 の比三十四五と見へし女三才位の娘の子を負ひ七才許の 男の子の手を引此所に来かゝりけるに飛ねば落る究り 飛んとすれとも子供二人なれば抱ひて飛ひかたしいかゞは せんと猶豫せしが迚も遁れぬ所なりと背に負ひし 女子を川に投捨男壱人を横抱にして思ひ込んて飛ひ