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【右頁上段】
伊呂波(いろは)の文(もん)。長(ちやう)
歌(か)に似(に)て大意(だいい)
諸行(しよぎやう)無常(むじやう)の四(し)
句(く)の文(もん)に応(おう)ず
是(これ)石淵寺(せきえんじ)【渕は俗字】の勒(ろく)
操(さう)。延暦寺(えんりやくじ)の最(さい)
勝(しやう)。高野山(かうやさん)の空(くう)
海(かい)。相(あひ)ともに唱和(しやうくわ)
して作(つく)るところと
いふ又 元興寺(げんかうじ)の
護命(ごめい)と空海(くうかい)と
の両作(りやうさく)なりといふ
然(しか)れどもこの四(し)
【左頁上段】
十七 字(じ)新意(しんい)に
起(おこ)るにあらず天(てん)
竺(じく)の悉曇(しつどん)の字(じ)
母(ぼ)にもとづいて始(はじ)
めて草字(さうじ)を作
る何(なん)ぞ唱和(しやうくわ)して
是(これ)を作(つく)らんや
空海は天下(てんか)の能(のう)
書 殊(こと)に草書(さうしよ)の
聖(ひじり)とするなり然(しか)
れば空海(くうかい)一人の
作(さく)なる事(こと)必定(ひつじやう)
せり京(きやう)は後人(こうじん)加(くはふ)之(これ)ヲ