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十一月|冬至(とうじ)までに。発(はつ)しおはるべきものなるに。此|陽(やう)
気におさへられ。十月の末に至る迄。発し出ることを得
ざれば。最早(もはや)地中に溜(たま)らすして。おさへし陽気を
つきやぶり。出るをもつて土に応(こた)へ。大地しば〳〵震
動(どう)す。是すなはち今般(このたび)の大変(たいへん)なり。空(そら)にて陰陽(いんやう)たゝ
かふ時は雷となつて遠(とを)く響くといへども。地の動く
ことなし。その故は天は大虚(たいきよ)にして物の障(さわ)りなし地中(ちちう)
にて陰陽|摺(すれ)合ときは。響(ひゞ)き土にあたるを以て。震(ふる)ひ
動(うご)くなり。されば地震は常にもあれども四月五月
の頃。世間冷気なればかならずあり又十月十一月の頃
殊(こと)に温(あたゝ)かなれば。きわめてありと心得べし尤地震
はそのはじめて震(ふる)ふときは。猛(たけ)くはげしきもの
なり。是堪忍(かんにん)ぶくろの切れたるがごとし。故に復(その)次に
震(ふる)ふものは緩柔(ゆるやか)なり尚(なを)後〳〵月をかさ祢て震ふ
ことありといへども。みな餘気(よき)ののこりにして。其度〻に
薄(うす)やぎはじめに似(に)たる事はさらになきものなり。
ことわざにいはく
なゑ初め。水は半途(なかば)に風は後(のち)