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翻刻
ひしもとの上はかたはらいたくわらひ給ふい
と【糸】をふかせ【葺かせ】つくりし屋はとびからすのすにみ
なくひ【喰い】もていにけり世界の人の云けるは大伴
の大納言はたつのくひの玉取りておはしたる
いな【否】さもあらす御まなこ二にすもゝのやうな
る玉をそそへていましたるといひけれはあな
たへかた【食べ難】といひけるよりも世にあはぬ事をは
あなたへかたとはいひはしめける
たけとり物語上終
現代語訳
右大臣の上は非常に恥ずかしく思ってお笑いになった。糸を葺かせて作った屋根は、鳶や烏の巣にすべて食い破られてしまった。世間の人が言うには「大伴の大納言は龍の首の玉を取っていらっしゃった」「いや、そうではない。お目に李のような玉を二つ添えていらっしゃった」と言ったので、「あな恥ずかし」と言ったよりも、世にふさわしくないことを「あな恥ずかし」と言うようになったのである。
竹取物語上 終