Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

BnF. Département des manuscrits. Japonais 5600 - 翻刻

BnF. Département des manuscrits. Japonais 5600 - ページ 52

ページ: 52

翻刻

ひしもとの上はかたはらいたくわらひ給ふい と【糸】をふかせ【葺かせ】つくりし屋はとびからすのすにみ なくひ【喰い】もていにけり世界の人の云けるは大伴 の大納言はたつのくひの玉取りておはしたる いな【否】さもあらす御まなこ二にすもゝのやうな る玉をそそへていましたるといひけれはあな たへかた【食べ難】といひけるよりも世にあはぬ事をは あなたへかたとはいひはしめける   たけとり物語上終

現代語訳

右大臣の上は非常に恥ずかしく思ってお笑いになった。糸を葺かせて作った屋根は、鳶や烏の巣にすべて食い破られてしまった。世間の人が言うには「大伴の大納言は龍の首の玉を取っていらっしゃった」「いや、そうではない。お目に李のような玉を二つ添えていらっしゃった」と言ったので、「あな恥ずかし」と言ったよりも、世にふさわしくないことを「あな恥ずかし」と言うようになったのである。 竹取物語上 終