翻刻
に「オルレアンズ」の府城より「ロイン」といへる大河にわたせる
橋の辺に一辺にハ「カアレル」第七世の王甲冑して勝を届
むるの像を安置し一辺には少女「ヨアンナ」甲冑して髪
を披くの像を安置して今に至てこれなりといふ
入尓馬泥亜国の山洞中の奇状の説
入尓馬泥亜国「オップルパルツ」州の府城「アムベルグ」を去る事三里《割書:本|朝》
《割書:の六|里》にして邑あり「プレデ二ウ井シド」といふ所の山中に大
にしてきはめて深き洞穴あり人その底を知る者なし
千五百三十五年《割書:本朝天文四年明の|嘉靖十四年乙未》に其里人相伝へて彼洞底を
きはめばかならす奇処あるへし且金銀宝物を得んも
また知るへからすとすなはち少壮二十五人数日の飲食を
そなへ且松明およひ諸の山を開くの器を携へて洞口に
いたり又その洞中に奇険の処ありて足を失ひ路に迷は
んことを慮りて極めて永を絙を以て洞口の木にか
たく結ひ二十五人絙を便りとなして魚貫して洞に
入る中にいたれハいよ〳〵廣し凡其絙を曳くこと九
百托《割書:一托ハ此方の|七尺余なり》にして人物の像多く散在せりこれより
して内には堂屋の類数処にあり石を布て甃と
なす方清潔なる飛泉に流水あり堂中には屍骨甚
たしたたゞ其人骨皆きはめて巨大にして凡人にあ
らすその形また其廉笨にしておそるべしいかな
る人なりしを知らす此処すべて昏暗にして天