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コレクション: STAGE9

西洋雜記 乾 - 翻刻

西洋雜記 乾 - ページ 13

ページ: 13

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光を通ぜすなをこれよりして奥をきはむるに道数条 を分つ其中の一路はるかに望むに巨物の蛇蜒蠕動せ るあり蓋し蛇の類ならん又一路ハ多く薬草繁茂せる あり衆これに近づきすゝむに遥に一物を見る朦朧とし て其形あたかも婦人に類す衆のすゝまんとするを 見てすなはち石を拾ひてこれに擲らつに前にす すめる者の面にあたりて血を出す衆ミなおそれていはく これ蓋し妖魔の棲む地なるへしさきの巨人の屍骨 を以て知るへし早く退き帰るにしかすと則相共 にまた絙をしるべとして狼狽して洞を退き出つ 洞口を出るにおよひて衆人ミな面色灰の如し漸くに にして元に復し相携へて家に帰るついに其洞底 の事状をきはむる事を得すといふ    「ドミチア二ュス」帝方士を誅する説 昔邏馬の「フラヒウス」帝およひ其子チチュス」帝は共に 賢才にして仁徳あり国人すへてこれに帰服すし かるに「チチュす」帝殂して子なし其弟「ドチア二ュス」 位を嗣く此帝ハその父兄には異にして残虐淫蕩に にして驕をきはめ戦を好ミ殺す事を嗜ミ多 く賢民の士およひ法教の徒を残害し罪なくして 刑にあふもの甚多し国人すへて怨愁せさる者な し時に星象を観てよく前知の術をなす方士