翻刻
第四
此異物ハ「カステン」《割書:意太里亜|国の地》
の府に近き「テ井レ子ン」
といふ所の海に於て
捕へ得たる者なり其 【此辺に挿絵有】
形獅子に似て鱗甲
あり此時教化主「パウ
ロス」第三世なる者殂
して《割書:按するにこれ千五百|四十九年の事也則ち》
《割書:日本天文十八年明の嘉靖の|三十八年巳酉にあたれり》
「ビスコップ」《割書:一州の教を|主る僧官》「マ
ルセルス」《割書:僧の|名》なる者「カステレ」の府にあり人ミな此物を奇
なりとして則府内に輸す此物其声音甚人に似
たり府内の人ミな以て奇観とすしかれともいくはく
もなくして斃れりこれ其本海にある者なれハ陸に在
るにたへされはなり此物我邦《割書:拂良察を|いふか》の「ヒリップスホレストス」といふ人詳にこれを記して其あらはす所の史
録の第三巻に其図説あり