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コレクション: STAGE9

西洋雜記 乾 - 翻刻

西洋雜記 乾 - ページ 24

ページ: 24

翻刻

ぶ其樹の下辺に結ふ所の菓は橘柚の如くにして 髄多く液また多く清涼収歛の効あり液を搾りて酒を 醸て其味渋しこれに沙糖を加へ醸すれはすなはち美 にして飲にたへたり恰も上品の葡萄酒の如し此酒よく 心志を悦楽せしめ兼て頭痛なからしむまた此樹の 上辺に結ふ所の菓は炙りてこれを食ふに其味恰 も栗の如くにしてきはめて甘美なりよく温暖にす るの功あり故に土人きはめて此樹を珍重す    大吻鳥の説 伯西亜(ブラシリア)国に異鳥を産す土人は呼て「トウカン」といひ和 蘭の人は「コロオト。ベッキ」と名づく《割書:和蘭?語 コロオト はなり ベッキ は |吻なり》 其大きさは鶺鴒のごとく脰は洎夫藍黄にして其め   くりは紅に胸は黄にして其他はすへて黒し此 鳥啄甚大にしてあるひは人の手掌の長さにいたる 者あり子啄の外面黄にして内は紅なり啄甚軽く して且薄し此小鳥にしてかくのことき大 吻あるこれ最異なりといふへし  按するに坤輿外記に伯西尓(ブラシリア)喜鵲    吻長而軽与身相等空明薄如紙とある  者これにしてまた明人の訳する星  図に異雀といふ者なり