翻刻
【上の資料・右ページ上段】 【上の資料・右ページ下段】
陽成院 河原左大臣
つくかねの みちもなく
おとよりはやく しのびかへしを
八方へやけぞ こへてにげあしを
つもりてはいとなりぬる いためてわれならなくに
光孝天皇 中納言行平
主のためやけのに たちわかれ
いでゝはいをかく いなかへゆくも
わか小づかいに やけゆへに金を
くきをうりつゝ かりたら又かへりこん
在原業平朝臣 藤原繁行
ちはやふる神の すみなれし
ごばちかこのように ところでやけて
にからのはだかで わき丁へみせをだし
やけいつるとは たでひとめすぐらん
【上の資料左ページ・白紙】
【下の資料・火の用心見立そうし】
欲(よく)の巌窟(かんくつ)
落(おち)る事なかれ落ると
一生あかられず
〽たれもこふいふ
がんくつのある
事は此さく者
よりほかにしる人は
あるまひて
おそろしや〳〵〳〵
なんとみなさん
御用心なさい
まし
深いにかぎりは
ムリ舛セン
慈悲心(ちひしん)のみなと
常(つね)におだやかにして
波(な )かぜなし
安(やす)く世(よ)を
わたる
〽ゆたかなる
人のこゝろの
たいらふね
ゆたの
たゆたに
世や
わたるらん