翻刻
安政四《割書:一》【丁?】巳年正月中旬より
《割書:風邪(かせひき)流行(はやり)|風(かぜ)の神(かみ)送(おく)り》忠(ちう)九(く)抜(ぬき)文句(もんく)
【上段はじめ】
風雅(ふうか)てもなく
しやれでもなく
風(かせ)の神(かみ)送(おく)る
相談(そうだん)する丁内【町内】
是(これ)は
おもひも
よらぬ
風の神捨(すて)場所(ばしよ)の
銭もうけ
様(やう)子によつては
聞捨(きゝすて)ならぬ
親類(しんるい)に
重(おも)い風邪
たつぬる襖(ふすま)の
内よりも
せきのでる
風気
やうすを
うかゞふ
お医者(いしや)
さんの見まひ
此 程(ほど)の
こゝろつかひ
髪結床(かみゆひとこ)
風呂(ふろ)や
主人(しゆじん)の大 事(じ)と
ぞんずるうち
奉公人(ほうこうにん)風気
でしんぼう
障子(しやうじ)さらりと
引あくれば
アヽさむい〳〵
しめておけ
こつては思案(しあん)に
あたわず
風の神こし
らへる工夫
しわりし竹を
引きまはし
風の神おくる
白丁ちんの
ほそ竹
【下段】
おまへなり
わたしなり
夫(ふう)婦くらしの内(うち)
二人ながら
風引た人
烑燈((ち)やうちん)に
釣(つり)がね
道成寺と
弁けいの
風の神
仕(し)やうもよふも
無(ない)わいのふ
大せいの
家内(かない)みな
風気
ざは〳〵と
見苦(くる)しい
大せいの子供
つれて風の神
送る女中
嘸(さそ)本望(ほんもう)で
こざろふの ̄ウ
閙(いそかし)おいしや
風くすり沢山(たくさん)
売(うれ)るくすりや
徒党(ととう)の人数(にんじゆ)は
揃(そろい)つらん
サア是(これ)から
風の神おくろ
斯(かう)いふ事が
いやさに
灸(やいと)をすへ
いと言(いふ)たのに
画図(ゑづ)にくはしく
書付たり
板行(はんこう)いろ〳〵
出るであろ
仕(し)やうを
爰(こゝ)に見せ申さん
風の神の
おもひ付の
出来たの
跡(あと)の片付(かたつけ)
諸事万事(しよじばんじ)
丁内の
世話やき
/漢字/漢字(ふりがな)(