翻刻!草双紙の世界

コレクション: NDL鳥居清長

名代干菓子山殿 3巻 - 翻刻

名代干菓子山殿 3巻 - ページ 7

ページ: 7

翻刻

こゝにとうくわし【唐菓子?】の中にもずい一とよばれし あるへいとう【有平糖】あまり人のそんき□うに よりひにましおごりをきわめおふく【多く?】の てしたをこしらへかねてひくわし山殿【干菓子山殿】 ひそふのちやわんをのぞみし所てにいり              よろこぶ  こん平らくがんにほう こうしてあつかりのちや わんをばいとりふく りんとう【福輪糖・せんべいの一種?】とすがたを  やつしつぼの内へ入れ  あるへいとうへ       わたす てしたのある平 こゝは酒の所た がにがくて    のめぬ ねんらいのそみしが かたじけない たいぎ〳〵 ほうびはのぞ みしたい でくわした   〳〵

現代語訳

ここに唐菓子の中でも随一と呼ばれた有平糖が、あまりに人からもてはやされたことにより、日に増して驕りを極め、多くの手下を従え、かねてから干菓子山殿秘蔵の茶碗を欲しがっていた所、手に入れて喜んでいる。 今、平落雁に「宝庫してあった例の茶碗を買い取り、福輪糖と姿を変えて壺の内へ入れ、有平糖へ渡せ」と命じる。 手下の有平「ここは酒の所だが苦くて飲めない」 「年来の宿願が叶い、かたじけない。大儀大儀、褒美は望みしだい」 「出来上がりました」