翻刻
五畿(ゴキ)七|道載(ダウノセ)ずと云所なし彼(カレ)が尾或は鰭(ヒレ)にて
も動(ウコカ)す所|忽(タチマチ)地震す故に鹿嶋(カシマ)の明神|要(カナメ)石
をもつて押(をさへ)給ふといへり今|案(アン)ずるに何ンそ其
鯰(ナマズ)日本をのみ載(ノセ)て唐土(モロコシ)を載ざるや唐土にも
地震あり一|笑(セウ)するに堪(タヘ)たり彼日本を載たる
鯰の図(ヅ)を見るに大キ成鯰のごとき物国〻を
載(ノセ)たり愚案(グアン)を回(メクラ)すに是|恐(ヲソ)らくは蜻蛉(アキツムシ)の
図(ヅ)を見あやまりて鯰(ナマズ)に書なしたる物
成へし日本記(ニホンキ)に神武(ジンム)天皇|即位(ソクイ)三十一年
四月|諸国(シヨコク)に行幸(ミユキ)して大日本の国形蜻蛉(カタチアキツムシ)
の臀呫(トナメ)せるがことしと宣(ノタマ)へり是に依て我
国を蜻蛉洲(アキツシマ)ともいへり日本の図(ヅ)を見る
に頗鯰(スコブルナマヅ)の形(カタチ)に似(ニ)たり【雲形の吹出しのような図】是等(コレラ)の図
を見|誤(アヤマリ)て鯰(ナマズ)といふか又|地震(ヂシン)の神(カミ)を鹿嶋
大明神といふ事有べからす日本記|神(カミ)
代巻(ヨノマキ)の高皇産霊尊(タカミムスビノミコト)の命(ミコトノリ)をうけて