翻刻
武甕槌命(タケミカヅチノミコト)《割書:鹿嶋ノ|明神也》経津主命(フツヌシノミコト)《割書:香取ノ|明神也》
芦原中津国(アシハラノナカツクニ)を平(タイラ)げ二神出雲(フタリノカミイツモ)の国五十(クニイソ)
田狭小汀(ダサノヲバマ)に降居(クダリイ)て十柄劔(トツカノツルギ)を抜(ヌ)ひて倒(サカサマ)に
地(チ)に植(タテ)る其|鉾端(ホコサキ)に踞(ウツクマ)るとあり
是に依(ヨリ)て鹿嶋(カシマ)に石柱(イシノハシラ)を立て万世(バンセイ)の
垂跡(スイシヤク)をしめす也何ンぞ鯰(ナマヅ)の頭(カシラ)を刺(サス)と
いふ事あらんや又地震の神といふは外に
ありと見へたり日本記に推古(スイコ)天皇の
御宇(ミヨ)に地震(ヂシン)して舎屋悉破(タカラコト〳〵クヤブ)れぬ四方に
令(リヨウ)して地震の神(カミ)を祭(マツ)らしむとあり
然れとも其|神跡(ジンセキ)今は絶(タヘ)て何地(イツチ)に有事を
しらす
潮の説
或問|潮(ウシホ)のさし引は一|分(フ)を増(マサ)ず一分を減(ゲン)せず
いか成|道理(ダウリ)にや又|潮(ウシホ)の満来(ミチク)る事皆|東(ひかし)の
方よりさす也|委敷(クハシク)其|説(セツ)を聞ん