翻刻
は地|始(ハシメ)のことく浮(ウカ)む是故(コノユヘ)に海水縮(カイスイ?ヽマ)りて
潮虚涸(シオカレカワク)也さるによりて潮昼夜(シホチウヤ)に二度
満(ミチ)二度|干(ひ)る也又大|潮(シホ)小|潮(しほ)にて遅速(ちそく)の有ル
は月の盈虚順環(ミチカケメグリ)に依(ヨツ)て替(カワ)りあり然れは
天地の呼吸(コキウ)と見たる説是(セツゼ)也又一説には
余襄公海潮賦(ヨジヤウカウカイテウフ)の序(ジヨ)に潮(うしほ)の消息(セウソク)【左傍ルビ:サシヒキ】は皆
月に繋(カヽ)れり月|卯酉(ウトリ)の間に望(ノゾ)む時は潮(ウシホ)
南北に平(タイラカ)也《割書:卯ノ方ハ東也|酉ノ方ハ西ナリ》彼(カシコ)は満(ミチ)爰は端(ツク)
《割書:端 (ツク)トハ干 (ヒル)|事ナラメ》往来絶(ユキヽタヘ)ず皆月にかゝるなりといへり
又|王柏(ワウハク)が造化論(ザウクワロン)には潮(ウシホ)は陽(ヤウ)の精(セイ)にして陰(イン)
の依従(よりしたが)ふ所なり月は陰(イン)の霊(レイ)たり潮(ウシホ)の
附(ふ)する所也|朔日(ツイタチ)十五日は月の環(メクリ)日に近(チカ)し
故に月のめぐり早(ハヤ)くして潮(シホ)の応(ヲウ)ずる事も
すみやか也|朔望(サクモウ)の外は《割書:朔 (サク)トハ朔日ノ義|望 (モウ)トハ十五日ノ事》月も
日に遠(トヲ)ざかるゆへに月のめぐり遅(をそ)くして
潮(シホ)も又応する事|小(セウ)也といへり是等(コレラ)の説(セツ)