翻刻
此心なり畢竟(ヒツキヤウ)は陰と陽と相仍(アイヨル)か
故に声(コヱ)あり石はかりにては音(ヲト)なく
金はかりにても音(ヲト)なし石と金と相
仍撃(ヨリウツ)によつて音(ヲト)あるかことし又雷の
形(カタチ)を沙汰する事 王充(ワウシウカ)論衡(ロンコウ)に始(ハシマ)
れり雷を図(ヅ)するに一人の力士(リキシ)累(ルイ)々
たり連鼓(レンコ)を撃(ウツ)とあり是によつて
今雷を《ルビ:画|ヱカク》者(モノ)力士(リキシ)の太鼓を打つ 姿(スカタ)を
書と見へたり又雷の形を豕(イノコ)のことし
と云説は宗(ソウ)の王逵(ワウキ)蟸海集(レイカイシウ)に此事
あり理(コトハリ)なきにあらす夫 風雷(フウライ)の二物
は天にあつて形なし易(ヱキ)に於(ヲイ)て
象(シヤウ)を乾(ケン)にとる乾(ケン)は戌亥(イヌヰ)の方位(ハウイ)なり
故(ユヘ)に風伯(フウハク)の形を犬(イヌ)になし雷公(ライコウ)の形
を豕になすと云へり
【次二行割書】
風伯(フウハク)トハ風神(カセノカミ)也風俗通(フウゾクツウ)ニ云
戌神(イヌノカミ)為 風伯(フウハク)トス云云風 雷(ライ)を易(エキ)
【次二行割書】
ニテ戌亥(イヌヰ)ニトレハ風神ヲ戌ニナシ
雷神(ライシン)ヲ亥ニスルナリ亥(ヰ)ト豕(イ)ト同
又 国史補(コクシホ)には