翻刻
雷州(ライシウ)に《割書:国之名(クニノナ)|也 》春夏(ハルナツ)は雷多し形(カタチ)豕の
ことし人此(コレ)を取(トリ)て喰とあり《割書:五雑俎(ゴサツソ)ニ|獣ニモ》
《割書:雷公(ライコウ)ト云物|アル由書リ》其外 大明一統志(タイメイイツトウシ)又は広輿(クハウヨ)
記(キ)の雷州の部(ブ)に春夏は雷となり
秋冬は伏(フ)して豕のことしとあり
其外書々にかくのごとき異説(イセツ)《ルビ:区|マチ〳〵》
なり然れとも皆 理(リ)に似(ニ)たれども
悉(コト〳〵ク)鑿説(サクセツ)にして用(モチユ)るにたらす
凡雷は天にあつては気のみ也地に隕(ヲチ)ては
形をなす事もあり又は形をなさゞる
事もあり陰陽(インヤウ)は眼(メ)をもつて見る
へからす扨又雷の撥(ハチ)と云物は是 雷(ライ)
槌(ツイ)といふ物の此形一色に定まるへからす
ある時は玉のことくある時は墨のことく
又或時は楔(クサビ)のことし《割書:本草 綱目(コウモク)ノ図(ツ)ニ|詳(ツマビラカ)ニ記セリ》其形の
いろ〳〵に替りたるは譬(タトヘ)は泥(ドロ)を空(クウ)中へ