Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

BnF. Département des manuscrits. Japonais 302 - 翻刻

BnF. Département des manuscrits. Japonais 302 - ページ 52

ページ: 52

翻刻

【右丁】 黄芩(わうごん)生(しやうず)_二秭帰(しき)川谷(せんこく)及(をよひ)冤句(ゑんかうに)_一今(いま)川蜀(せんしよく)河東(かとう)陜西(けうせい)近郡(きんくん)皆(みな) 有(あり)_レ之(これ)苗長(なへのながさ)尺余(しやくよ)茎簳(けうかん)麤(そにして)如(ごとし)_レ筋(はしの)【筯ヵ】葉(は)従(より)_レ 地(ち)四面(しめん)作(なす)_二叢生(そうせいを)_一類(るいす)_二 紫草(しさうに)_一高(たかさ)一尺許(いつしやくはかり)亦(また)有(あり)_二独茎者(どくけうのもの)_一葉(は)細長(さいちやう)青色(せいしよく)両両(りやう〳〵)相対(あいたいす) 六月(ろくぐはつ)開(ひらく)_二紫花(しくはを)_一根(ね)黄(きにして)如(ごとし)_二知母(ちもの)_一麤細(そさい)長(たけ)四五寸(しごすん)二月(にくはつ)八月(はちくはつ) 採(とる)_レ根(ねを)暴乾(さらしほし)用(もちゆ)_レ之(これを)呉普本草(ごふがほんさう) ̄に云(いはく)黄芩(わうごん)又(また)名(なづく)_二印頭(ゐんとうと)_一 一名(いちめいは)内(ない) 虚(きよ)二月(にくはつ)生(しやうす)_二赤黄葉(せきくはうえうを)_一両両(りやう〳〵)四面(しめん)相値(あいあふ)其茎中(そのくきうち)空(むなしく)或(あるひは)方円(はうえん) 高(たかさ)三四尺(さんししやく)花(はな)紫紅赤(しこうせき)五月(ごぐはつ)実(み)黒(くろく)根(ね)黄(きなり)二月(にぐはつより)至(いたつて)_二 九月(くぐはつ)_一採(とる) 一名(いちめいは)腐腸(ふちやう)一名(いちめいは)空腸(くうちやう)一名(いちめいは)内虚(ないきよ)一名(いちめいは)黄文(わうぶん)一名(いちめいは)経芩(けいごん) 一名(いちめいは)妬婦(どふ)《割書:味(あぢ)苦(にがく)大寒(だいかんにして)旡(なし)【注①】_レ毒(どく)治(ぢす)_二骨蒸(こつしやう)寒熱(かんねつ)往来(わうらい)腸(ちやう)|胃(い)不(ざるを)_一レ利(り)治(ぢし)_二 丁瘡(てうさうを)_一排(ひらき)_レ膿(うみを)治(ぢす)_二乳癰(にうよう)発背(はつせきを)【注②】_一》 【左丁】 花覆盆子(はないちご) 【見出し、囲み部分】花(はな)いち   ご 【囲みの外】花(はな)の形(かたち)江戸桜(えどさくら)の千葉花(せんよはな)に似(に)たり正中(まんなか)ほど うこん色(いろ)有(あり)葉(は)はやまぶき草(さう)のはに似(に)たり しのだちいばらのごとし三月にさく 【注① 「旡」は「無(无)」ヵ。「无」は「無」の同字(確認資料:『新漢語林(第二版)』鎌田正・米山寅太郎 著(大修館書店))。】 【注② 「発背」は「発脊」ヵ「発赤」ヵ】 【六行一字目「採」のルビ「る」は「り」ヵ。『畫本野山草.[2]』(翻刻!いきもの図鑑―コレクション1)コマ15では「り」。】 【六行下から五字目~「印頭」のルビ末尾の「と」は上に横線有。橘保国 画『絵本野山草 5巻』[2],柳原喜兵衛,文化3. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2569336 コマ16も同様。『畫本野山草.[2]』(右注と同)では「と」。】 【十行割書右側三字目~「大寒」のルビ「に」は小さい字】

現代語訳

【右丁】 黄芩(オウゴン)は秭帰(しき)、川谷(せんこく)および冤句(えんこう)に生育する。現在では川蜀(せんしょく)、河東(かとう)、陜西(せんせい)の近郡すべてに これがある。苗の長さは一尺余り、茎は粗く箸のようである。葉は地面から四方に叢生し、 紫草に似ている。高さは一尺ほどで、また単独の茎を持つものもある。葉は細長く青色で、二枚ずつ向かい合っている。 六月に紫花を開く。根は黄色で知母のようである。太さや細さ、長さは四、五寸。二月と八月に 根を採取し、日に晒して乾燥させて用いる。呉普本草によると、黄芩はまた印頭とも名付けられ、一名は内 虚という。二月に赤黄色の葉を生じ、二枚ずつ四方に向かい合う。その茎の中は空洞で、あるいは方形や円形で、 高さは三、四尺。花は紫紅赤色で五月に咲き、実は黒く、根は黄色である。二月から九月まで採取する。 一名は腐腸、一名は空腸、一名は内虚、一名は黄文、一名は経芩、 一名は妬婦という。《割書:味は苦く大寒で毒はない。骨蒸による寒熱の往来、腸胃の不調を治し、丁瘡を治療し、膿を排出し、乳癰や発背を治療する》 【左丁】 花覆盆子(ハナイチゴ) 【見出し、囲み部分】花いちご 【囲みの外】花の形は江戸桜の千葉花(八重咲き)に似ている。中央あたりに ウコン色がある。葉は山吹草の葉に似ている。 茎の立ち方はイバラのようである。三月に咲く。