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コレクション: コレクション3

新撰暑中養生法 : 附・コレラ予防歌 - 翻刻

新撰暑中養生法 : 附・コレラ予防歌 - ページ 10

ページ: 10

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【右】 する時(とき)は忽(たちま)ち下利(げり)、中暑(ちうしよ)、霍乱等(くわくらんとう)諸病及(しよびやうおよ)び流行病(りうかうびやう)に感染(うつ)る こと往々(ゝ)あり故(ゆへ)に日用(にち〳〵)の飲食品(いんしよくぶつ)はその性質(すじやう)の善悪(よしあし)を吟味(ぎんみ) せざるときは恰(あたか)も鴆毒(どくやく)の如(ごと)く一口(ひとくち)の飲食(のみくひ)より病(やまひ)を生(しやう)じ終(つひ) に死(し)に至(いた)るものは年々夏季(ねん〳〵なつ)におゐて少(すく)なからずとす豈(あ)に 警戒(いましめ)を加(くは)へざるべからざるものなり 肉類(にくるゐ)は牛(うし)、羊(ひつじ)、豕(ふた)其他(そのた)の野獣(やじう)の肉類(にくるゐ)は総(すべ)て無病(むびやう)にてその肉(にく)の 新鮮(しんせん)なるものにあらざれば決(けつ)して食(くら)ふべからずその肉(にく)の 病肉(びやうにく)なるか腐敗(ふはい)せし肉(にく)なるかは指(ゆび)にてこれを押(お)すにその 押(お)したる跡直(あとす)ぐ元(もと)の如(ごと)くなるは良肉(りやうにく)なり然(しか)るに指(ゆび)にて押(お) したる跡急(あときふ)に元(もと)に復(はく)さゞるもの及(およ)びその色紫黒色或(いろくらさきいろまた)は蒼(あを) 【左】 白色(しろいろ)にして悪臭(あしきか)あるものは食(くら)ふべからず 魚類(ぎよるゐ)は死魚(しにうを)の腐敗(ふはい)して悪臭(あしきか)あるもの病魚(やまいうを)の肉輭(にくやわら)かにして 弾力(ねばりけ)なきものは食(くら)ふべからず又(ま)た藏鮞(こもち)の魚(うを)も成(な)るべく食(しよく) せざるを良(よろ)しとす 干魚鹽魚(ほしうをしほうを)は成(な)るべく食(くら)ふべからず殊(こと)に干魚(ほしうを)の悪臭(あしきか)あるも の黴(かび)の生(しやう)じたるもの腐敗(ふはい)せしもの虫(むし)の生(しやう)じたるもの鹽魚(しほうを) は腐敗(ふはい)して豆腐(とうふ)の如(ごと)く輭(やわら)かなるもの一種鼻(いつしゆはな)を撲(う)つ如(ごと)き臭(に) 氣(はひ)あるもの等(など)は決(けつ)して食(くら)ふべからず但(たゝ)し鹽漬物(しほづげもの)は魚類菜(うをるゐや) 蔬(さい)の別(べつ)なく何(いづ)れも消化悪(こなれあ)しき物(もの)なれば香物抔(かうのものなど)は相成(な)るべ くは用(もち)ひざるを良(よろ)しとす若(も)し止(や)む事(こと)を得(え)ざるときは少々(すこし)

現代語訳

【右】 するときは、たちまち下痢、中暑(熱中症)、霍乱などの諸病および流行病に感染することがしばしばある。それゆえ日常の飲食品はその性質の善悪を吟味しないときは、あたかも毒薬のように一口の飲食から病気を生じ、ついには死に至る者は年々夏季において少なくない。まことに警戒を加えなければならないものである。 肉類は牛、羊、豚その他の野獣の肉類は、すべて無病でその肉の新鮮なものでなければ決して食べてはならない。その肉が病気の肉なるか腐敗した肉なるかは、指でこれを押すにその押した跡がすぐに元のようになるのは良い肉である。しかるに指で押した跡が急に元に戻らないものおよびその色が紫黒色または蒼 【左】 白色にして悪臭があるものは食べてはならない。 魚類は死魚の腐敗して悪臭があるもの、病気の魚の肉が柔らかくて弾力のないものは食べてはならない。また卵を持った魚もなるべく食べない方が良い。 干魚・塩魚はなるべく食べてはならない。特に干魚の悪臭があるもの、黴の生じたもの、腐敗したもの、虫の発生したもの、塩魚は腐敗して豆腐のように柔らかなもの、一種鼻を打つような臭気があるものなどは決して食べてはならない。ただし塩漬物は魚類・野菜の別なくいずれも消化の悪いものであるから、漬物などはできるだけ用いない方が良い。もしやむを得ないときは少々

英語訳

[Right page] When consuming such foods, one will immediately contract diarrhea, heatstroke, cholera, and other diseases, as well as epidemic illnesses. Therefore, if one does not examine the good or bad qualities of daily food and drink items, they become like poison - many people fall ill from a single bite of food and ultimately die, and this is not uncommon every summer. Truly, one must exercise great caution. Regarding meat - beef, mutton, pork, and other wild animal meats should only be consumed if they are from healthy animals and the meat is fresh. Whether the meat is diseased or spoiled can be determined by pressing it with one's finger - if the pressed area immediately returns to its original state, it is good meat. However, meat where the finger impression does not quickly return to normal, or meat that is purple-black or blue- [Left page] white in color with a foul odor should not be eaten. For fish, dead fish that have spoiled and emit foul odors, or diseased fish whose meat is soft and lacks elasticity should not be consumed. Also, it is best to avoid eating fish carrying eggs. Dried fish and salted fish should generally not be eaten. Particularly, dried fish with foul odors, those with mold, spoiled ones, those with insects, salted fish that have rotted and become soft like tofu, or those with a particularly sharp offensive odor should never be consumed. However, since pickled foods, whether fish or vegetables, are all difficult to digest, it is best to avoid using pickled foods as much as possible. If unavoidable, only a small amount