翻刻
【右】
縄等(なはとう)の腐(くさ)りたるときは速(すみや)かに修繕(つくろひ)なすべし
総(すべ)て飲水(のみみづ)は黄色(きいろ)なるもの灰白色(はひいろ)なるもの少(すこ)しにても臭気(にほい)
あるもの鹹味(からみ)を帯(を)びたるもの水中(みづのなか)に小蟲及(こむしおよ)び黄色(きいろ)なる游(うき)
埃等(ごみとう)ある水(みづ)は一切飲料(いつさいのみもの)に供(な)すべからず
飽食暴飲(たいしよくたいしゆ)すべからず
欲(この)まざるときは強(しひ)て飲食(いんしよく)すべからず
食後劇動(しよくごあらばたらき)すべからず
食後運動(しよくごうんどう)せずして眠(ねぶり)に就(つ)くべからず
夜寝(よるね)る前(まへ)に飲食(のみくひ)すべからず
総(すべ)て飲食(のみくひ)は節制(ひかへめ)にすべし
【左】
性質(すじやう)の疑(うたが)はしきものは決(けつ)して飲食(のみくひ)すべからず
第十 注意(きつげ)の事(こと)
先(ま)づ少(すこ)しにても病気(びやうき)の徴候(しるし)あるときはこれを等閑(なほざり)になさ
ずして速(すみや)かに醫師(いしや)の診察(しんさつ)を乞(こ)ふべし
炎天(えんてん)に涼傘(ひがさ)を持(も)たずして頭脳(かしら)を直(ぢき)に暴露(さらす)ことなから又(ま)
跣足(はだし)にて往来(わうらい)を為(な)すべからず
夏分(なつぶん)は各家共(いへ〳〵とも)に石炭酸等(せきたんさんとう)を貯(たくは)へ置(お)き時々家(とき〴〵いへ)の内外(うちそと)、便所等(べんじよとう)
へ撒布(まきちら)すべし
他人(たにん)の来(きた)りて便所(べんじよ)へ入(い)るときはその跡(あと)へ石炭酸(せきたんさん)を撒布(まきちら)す
べし又(ま)た家内(かない)の者(もの)に吐瀉(はらくだし)あるとき抔(など)は無論(むろん)の事(こと)なり
現代語訳
【右】
縄などが腐ったときは速やかに修繕すべきである。
すべて飲み水は、黄色いもの、灰白色のもの、少しでも臭いのあるもの、塩辛い味を帯びたもの、水中に小虫および黄色い浮遊物などがある水は一切飲み物に用いてはならない。
暴飲暴食をしてはならない。
食欲がないときは無理に飲食してはならない。
食後に激しく動いてはならない。
食後に運動せずに眠ってはならない。
夜寝る前に飲食してはならない。
すべて飲食は節制すべきである。
【左】
性質の疑わしいものは決して飲食してはならない。
第十 注意すべきこと
まず少しでも病気の兆候があるときは、これを軽んじることなく速やかに医師の診察を求めるべきである。
炎天下に日傘を持たずに頭を直接さらすことなく、また裸足で往来することもしてはならない。
夏の間は各家庭ともに石炭酸などを蓄えておき、時々家の内外、便所などに撒布すべきである。
他人が来て便所に入るときは、その後に石炭酸を撒布すべきである。また家族の者に下痢があるときなどは言うまでもないことである。
英語訳
[Right page]
When ropes and such become rotten, they should be promptly repaired.
All drinking water that is yellow in color, grayish-white in color, has even the slightest odor, has a salty taste, or contains small insects and yellow floating debris should never be used for drinking.
One must not overeat or overdrink.
When one has no appetite, one should not force oneself to eat or drink.
One must not engage in strenuous activity after eating.
One must not sleep without exercising after eating.
One must not eat or drink before going to bed at night.
All eating and drinking should be done in moderation.
[Left page]
Things of questionable nature should never be consumed.
Article 10: Matters Requiring Attention
First, when there are even slight signs of illness, one should not treat them lightly but should promptly seek a doctor's examination.
Under the blazing sun, one must not expose one's head directly without carrying a parasol, and one must not walk barefoot on public roads.
During summer, every household should store carbolic acid and periodically sprinkle it inside and outside the house, in toilets, and other places.
When others come and use the toilet, carbolic acid should be sprinkled afterward. This goes without saying when family members have diarrhea.