翻刻
相創者と相立六十日目ヲ質置候本月と立元利を以
請返候義兼而取究被仰付候通相心得可申事
一銀子弐百目以上之質物候ハ古来約定之通慥成請人ヲ立
取質可仕候若無請人ニ而右員数以上之質物取置追而
盗物之品と相顕候節者本銀失墜ニ申付其品被盗主へ
為指戻候事
一質屋と不相立者万一盗物之品質ニ取置又者當坐
買之品盗物ニ相極候ハヽ本銀失墜ニ而被盗主へ被為
指戻候上咎可申付候事
一被盗物色品書を以願出候ハヽ己来通御国中相觸品書ニ
引合候テ質ニ取置於有之候ハ其段早速其筋御役場へ
可申出盗物ニ候ハヽ利息失墜元銀を以請返可申付候
若隠置追而於相顕ハ當坐買同断本銀失墜ニ而
其品被盗主へ為指戻候上咎可申付候事
一前件之通此度株居申付錙なからも冥加銀召上候ニ付
質屋共心得違衆寄〳〵ニ而利上之申談も難計萬一
現代語訳
相創者と相立ち、六十日目を質置きの本月と立て、元利をもって
請け返すこと、兼ねて取り究め仰せ付けられた通り相心得申すべきこと
一、銀子二百目以上の質物の場合は、古来約定の通り確かな請人を立て
質取りをすべし。もし請人なしに右員数以上の質物を取り置き、追って
盗品と相顕れた節は、本銀失墜に申しつけ、その品を被盗主へ
指し戻しなさること
一、質屋と相立たない者が万一盗品を質に取り置き、または当座
買いの品が盗品と相極まった場合は、本銀失墜にて被盗主へ
指し戻した上、咎めを申しつけること
一、被盗物の色品書をもって願い出た場合は、これまで通りお国中に相触れ、品書に
引き合わせて質に取り置いてあるものがあれば、その段早速その筋のお役場へ
申し出ること。盗品であれば利息失墜、元銀をもって請け返しを申しつけるべし。
もし隠し置き追って相顕れた場合は、当座買い同断、本銀失墜にて
その品を被盗主へ指し戻した上、咎めを申しつけること
一、前件の通りこの度株居を申しつけ、僅かながらも冥加銀を召し上げるにつき
質屋ども心得違い、衆寄り々々にて利上げの申し談じも計り難く、万一