翻刻
【右】
る方あり、洗寃録避穢方、三神湯、蒼朮二両白朮半両甘
草半両、右為_二細末_一、毎服二戔入_二塩少許_一、白湯_一服又伝、蘇合
香丸、毎一丸含化、尤能避_レ悪、聖濟総録、辟_二時疫温癘_一、辟温湯、
甘草大黄各二戔皀莢一戔、右三味用_二水盞_一、煎至_二一盞、去_レ滓空心
熱服、至_レ脱_二 下悪物_一為_レ効、又辟_二瘴癘温疫時氣_一預服蒼耳散方、蒼
耳三両、右一味為_レ散毎服二戔匕、空心井花水調下、仙拈集辟疫湯、
蒼朮三銭三分三厘川芎八銭五分乾葛一銭三分六厘甘草
一銭六分七厘薑三斤、連鬚葱頭三個、水二椀煎_二 八分_一、空心
服、巳病者 ̄ハ愈、未_レ病者不_レ染也とこれ也、又土地を清潔(きよく)にする
法あり、衛生寳鑑伝、或有_レ伝斯疾之召、或溝渠不_レ泄、穢悪不
【左】
_レ修、薫蒸而成者、或地多_二死氣_一、■發而成者、、或官吏抂怨
讟而成_レ之者、可_下於_二州治六合處_一、穿_レ 地深至_中 三尺_上、闊(ひらき)亦如_レ之、
取_二浄沙三斛_一、實_レ之以_二醇酒三升_一、沃(そゝぐ)_二其上_一、俾使_二レ君祝_一レ之、斯亦
消_二除疫癘_一之良術と、これ也、又衣被を浄くする法あり、
清 ̄ノ會稽陶東亭恵直堂経験方伝、凢遇_二疫染_一、以_二初病人
衣_一、於_二甑上_一蒸_レ、則一家不_レ染とこれ也、古人心を救済に盡
ここと如_レ此、而世医は知らす却て説く避邪の法、、洋医石黒氏の
著書に始て具備すと、豈棒腹の至りならずや、
現代語訳
【右】
る方法がある。洗冤録の避穢方、三神湯:蒼朮二両、白朮半両、甘草半両。右を細末とし、毎回二銭を服用し、塩少許を入れて白湯で服用する。また伝えられるところでは、蘇合香丸を毎回一丸含んで化すと、特に悪気を避けることができる。
聖済総録の時疫温癘を辟ける辟温湯:甘草・大黄各二銭、皂莢一銭。右三味を水一盞で煎じて一盞まで煮詰め、滓を去って空腹時に熱いまま服用する。悪物を下泄するまでが効果とする。
また瘴癘・温疫・時気を辟けるために予め服用する蒼耳散方:蒼耳三両。右一味を散剤とし、毎回二銭匕を空腹時に井花水で調下する。
仙拈集の辟疫湯:蒼朮三銭三分三厘、川芎八銭五分、乾葛一銭三分六厘、甘草一銭六分七厘、生姜三片、髭つき葱頭三個。水二椀で八分まで煎じ、空腹時に服用する。すでに病気の者は治り、まだ病気でない者は感染しない、ということである。
また土地を清潔にする方法がある。衛生宝鑑に伝えられるところでは、
【左】
「この疾病を伝染させる要因があったり、溝渠が流れずに穢悪が修まらずに薫蒸して成るもの、あるいは地に死気が多くて発生して成るもの、あるいは官吏が冤罪を犯して怨嗟を受けて成るものがある。州治の六合の処において、地を掘って深さ三尺、幅も同様とし、浄沙三斛を取ってこれを実し、醇酒三升でその上に注ぎ、使君に祝わせる。これもまた疫癘を消除する良術である」ということである。
また衣被を清浄にする方法がある。清朝の会稽陶東亭恵直堂経験方に伝えられるところでは、「凡そ疫染に遭遇した時は、初病人の衣を甑の上で蒸せば、一家が感染しない」ということである。
古人が救済に心を尽くすことはこのようであったが、世の医者は知らずに却って邪を避ける方法を説く。洋医石黒氏の著書に初めて具備すると言うが、なんと腹立たしい限りではないか。