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コレクション: STAGE7

風俗畫報臨時増刊第百二十四號 洪水地震被害録(上) - 翻刻

風俗畫報臨時増刊第百二十四號 洪水地震被害録(上) - ページ 26

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【右側上段】 もなく子(こ)は母(はゝ)を尋ね妻は夫を呼ひ叫喚の声(こゑ)四 方(はう)に起り其惨状実 に名状(めいじよう)すへからず暫時(ざんじ)にして鳴動止みたるを以て人々(ひと〳〵)始めて安 心なしぬ家蔵は縦横(じうおう)に倒潰して旧形(きうけい)を存せず死者二十二名あり 戸口迄走(とぐちまではし)り出て今一歩といふ所にて圧死(あつし)せるものあり或は逃場(にげば) を失ひ斃れたるものあり其死状(そのしゞよう)何れも悲惨(ひさん)を極め見るもの酸鼻 せさるはなし 【絵図】 仙北郡六郷町震災図       東高方町 琴平町   西高方町    米町   学校               上町       道路  木道町   荒町               大町     全潰家屋     半潰家屋     寺院全潰     仝 半潰 〇老母惨死(らうぼざんし) 仝町の飯村某(いゝむらぼう)の宅には祖母 (たけ)母 (はつ)と唯(た)た 二人ありしか老年(らうねん)のことゝて逃け後れ二人とも圧死(あつし)せしは惨事 中の惨事(さんじ)と云ふべし 〇死体の捜索(そうさく) 圧死者ある所は分署長部課(ぶんしよちようぶか)を発して潰倒(くわいたう)せし家 屋より掘出し一 応医師(おういし)をして検察せしめ夫れ〳〵家族(かぞく)に引渡さ れたるは余所目に見るも憐(あは)れなり 【右側下段】 〇死者(しゝや)を葬る 送葬(そう〳〵)するに僅かはかりの箱(はこ)を作り泣く〳〵 尸体(したい) を歛め会葬者(くわいそうしや)もなく家族二三人にて悄然(せうぜん)として送葬するのみ 〇土蔵(どぞう)は皆骨のみ 土蔵は一つも残(のこ)らず壁は脱落(だつらく)して残るは骨 のみ甚たしきは丸潰(まるつぶ)れなるものもあり 〇官衙(くわんが)の状況 警察分署(けいさつぶんしよ)は大破小林区署は丸潰(まるつぶ)れ郵便局も潰れ 登記所は大破損を生じたり 〇仝所の被害(ひがい) 死亡者二十二人 負傷者(ふしようしや)四十人 全潰家屋(ぜんくわいかをく)八百戸土 藏全潰九分通の多きにいたれり 〇壱万円以上の損害者(そんがいしや) 当町のみにても十四人もありといふ 〇寺院(じいん)悉く倒る 寺院二十余もありしが何(いづ)れも大伽藍の柱析【折の誤りか】れ 縦横境内(じうわうけいない)に倒るゝ様一見人をして如何(いか)に震動(しんどう)の激烈(げきれつ)なりしかを 想見せしむ 〇田地(でんち)の損害 田地は踏み荒(あら)したる如く稲(いね)は泥中(でいちう)に埋没(まいぼつ)せり植 直(なほ)したりとて鶏の食物に供する迄なりと云ふ 〇鳥居の移動 当町熊野神社の大鳥居(おほとりゐ)は震動(しんどう)の為(た)め一 転(てん)して 元との場所(ばしよ)より四尺も離(はな)れたるか倒潰もせず依然(いぜん)として其体を 存(そん)せるは一奇と云ふへし      ●千屋村 千屋村は戸数(こすう)五百五十五戸人口三千八百六十人あり人口戸数は 六 郷(ごう)町より少なきも其 損害(そんがひ)は千屋を以て尤も激しとす其当日は 六郷大曲とをなしく数回(すうくわい)の強震(きやうしん)あり五時十分に至(いた)り一大震動と ゝもに三百三十七戸の家屋(かをく)を全潰し三百四十五棟の土蔵を倒す 三十七 名(めい)の圧死者(あつししゃ)と三十八名の負傷者(ふしようしや)を出(いだ)せり其惨状筆紙に述 へたがし【がたしの誤りか】千屋村に向(むか)ふ道路(だうろ)は亀裂(きれつ)せさる所(ところ)なく或は陥落(かんらく)して噴 水し或は巾(はば)三四尺に裂(さ)け自然(しぜん)に堰(せき)をなしたる所あり橋梁(きやうれう)の破壊 陥落(かんらく)せしもの二三ケ所ありて巡査駐在所(じゆんさちうさいしよ)も大破せり 〇代議士(だいぎし)坂本氏 氏(うち)は地震(ぢしん)の際奥座敷(さいおくざしき)にて新聞を読み居りし由 【左側】 六郷町惨状のニ【上部に横書き】 花舘村雨中非難の図【下部に横書き】 金沢駅端土地大亀烈【裂の誤りか】の図【下部に横書き】