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コレクション: STAGE7

風俗畫報臨時増刊第百二十四號 洪水地震被害録(上) - 翻刻

風俗畫報臨時増刊第百二十四號 洪水地震被害録(上) - ページ 7

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寺島村吾嬬村及ひ押上亀戸村附近大湖に変ずるの図【図上に横書き】 【図内枠】 東京巡航船株式会社は洪水被害の人民を救助せむとて三艘の船を発し一昼夜間諸方に漕廻して病者溺者は言ふに及はす諸荷物までをも救ひ上け悉く之を牛の御前の前に漕送りたりきてある中本所区役所より是非今後二日間救助して呉れとの依頼を受けるかは同会社は一層の奮発にて船員を督励したるか□に被害民は其救助を得たるもの甚た多かいしとぞ 国中桜花の徽章□□を立てたるは会社より出したる松□□ 小梅町曳舟通り出水の為に諸人狼敗【狼狽】迷走するの図 るゝ水の深(ふか)さ膝(すね)を没(ぼつ)するは本所区にては長岡(ながおか)町 双葉(ふたば)町 緑(みどり)町五丁目 裏通(うらとほ)り若宮町松倉町横川町等なり浅草区(あさくさく)にては元吉町山谷町浅草町田中町《ルビ:地方|ぢかた》今戸吉野町《ルビ:等|とう》なり農作物(のうさくぶつ)被害(ひがい)は詳く分(わか)らざれと稲(いね)の刈取(かりとり)も上の方は七《ルビ:分通|ぶどほり》下の方は六《ルビ:分通|ぶとほり》を畢(をわ)り居たれば案外に軽少(けいせう)ならむ深川区にても小名木川筋(をなきがわすぢ)扇橋辺(あふきはしへん)は五六寸《ルビ:霊岸|れいがん》町は三寸《ルビ:浸水|しんすゐ》し所に因りては床下迄(ゆかしたまで)浸水せし箇処(かしょ)もあり両国大橋等(とう)の水防夫(すゐぼうふ)は上流より流れ来る芥除(ごみよけ)に尽力(じんりょく)し居たるが水量(すゐりゃう)は平水より高(たか)きこと五《ルビ:尺計|しやくはか》りなりし    ●中川筋の増水数日来(すうじつらい)暴雨(ぼうゝ)の打連きたる為めに埼玉県北足立郡三輪野村字吉谷利根川(とねがわ)堤防(ていぼう)百廿間余《ルビ:破壊|はくわい》せしを以て中川筋(なかゞわすぢ)漸く増水して府下(ふか)南足立郡花畑村大字六ツ木堤上(きていじょう)二尺増水《ルビ:土俵|どへう》を築(きづ)きて防禦中(ぼうぎょちう)しに南葛飾郡亀青村字青砥村及び同郡(どうぐん)東田村同新宿辺最も危険(きけん)にして九月十四日正午(せうご)頃(ころ)に至り水は益々(ます〳〵)堤上を凌(しの)ぐ有様なるにより土俵(どへう)を築(きづ)きたるも水は土俵三《ルビ:俵迄|べふまで》に達せし故《ルビ:人夫|にんぷ》をして土俵を押(おさ)へしめたり又本所区(またほんじょうく)は向島八百松を仮出張所(かりしゆつちょうじよ)に充て同夜は区吏(くり)徹夜(てつや)して防禦の応援(おうえん)に尽力中府庁より土俵用(どへうよう)明俵(あきだわら)一万俵を廻送(くわいそう)せしに付一《ルビ:同|どう》力を併せて防禦(ぼうぎょ)せしも昨暁(さくげう)三時頃に至り同郡新宿橋《ルビ:辺堤防|へんていばう》二ケ処破壊(しょはくわい)し為めに新宿町は凡二尺通り浸水したれば仝郡全村(どうぐんぜんそん)にては各寺院の早鐘(はやがね)を突き鳴らし或は太鼓を打て非常(ひじょう)を知らしめ中々(なか〳〵)の騒(さわ)ぎなりしが飯島本所区長(いゝじまほんじょくちよう)は予め 区内(くない)に此の非常を通牒(つうてう)し置きて現場(げんじよう)に出張せり十四日に至り久(く)我(が)東京(とうけう)府知事(ふちじ)は内務大臣に左(さ)の如く報告せり 一作十二日 江戸川筋(えどかわすぢ)埼玉県北葛飾郡三輪之江村大字二階新田 破堤(はくわい)の結果(けつくわ)当府下中川筋昨十三日より非常(ひじよう)の出水(しゅつすゐ)に付き沿岸 各郡町村共 夫々(それ〳〵)防禦中(ばうぎょちう)に有野候処 本日午後(ほんじつごゞ)より一層 増水(ぞうすゐ)致し 埼玉県下南埼玉郡右新田長右衛門 破堤(はてい)の恐(おそ)有之若し同所破壊 候ときは其(その)結果(けつくわ)自然(しせん)当府下(たうふか)南足立郡花畑村字六ツ木並《ルビ:沿岸|ゑんかん》各 町村破壊候哉も難計(はかりがたく)且堤上二尺以上《ルビ:水越|すゐえつ》致し候に付《ルビ:目下|もくか》必(ひつ) 死(し)に防禦中(ばうぎょちう)に有之候得共《ルビ:危険|きけん》不尠且南葛飾郡水元村新宿町亀 青村本田村《ルビ:其他沿岸|そのたえんかん》各町村(かくちうそん)に於ても破堤(はくわい)の恐(おそ)れ有之候状況に 付《ルビ:夫々|それ〳〵》当庁吏員(たうちょうりゐん)を派遣し全力を尽し防禦中(ばうぎょちう)に有之候條不取敢 此段(このだん)稟申(りんしん)候也云々右(みぎ)の外(ほか)中川筋の堤防(ていばう)は到る所《ルビ:危険|きけん》に瀕(ひん)せざるなく下流(かりう)の逆井橋附近すら危機(きヽ)一《ルビ:髪|はつ》の状況(じょうきょう)となりて一時は人力車荷車等(じんりきしやにぐるまとう)の通行を禁(きん)じたるが彼(か)の奥戸新田村の堤防《ルビ:欠壊|けつくわい》せしため稍々(やヽ)減水(げんすゐ)したり又(また)南足立郡花畑村大字六ツ木の堤防も十三日午後六時《ルビ:頃|頃》より溢水(ゐつすゐ)し堤上二《ルビ:尺余|じゃくよ》に及び村民(そんみん)は土俵(どへう)を作りて防禦(ばうぎょ)に従事せり而して東京府庁(とうけうふちょう)よりは二十《ルビ:余名|よめい》の吏員(りゐん)出張し本所六ツ目、金町新宿町等に炊事場(すゐじば)を設けて炊出(たきだし)をなし南葛飾郡役所にては大(だい)八車(ぐるま)を徴発(ちょうはつ)して俵の運搬(うんはん)をなさしめ居れり          ●隄防の大破壊前條に記(しる)せし如く吏民共(りみんとも)に尽力せしもその甲斐(そのかひ)なく十六日午後一時半《ルビ:頃|ころ》に至りて南足立郡《ルビ:花畑村|はなばたむら》六ツ木堤坊入樋凡そ三十間許り