みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

訓蒙天地辨 天 - 翻刻

訓蒙天地辨 天 - ページ 10

ページ: 10

翻刻

万国|毬(まり)に画(ゑ)やうを縫(ぬひ)たるごとく廻(めぐ)り〳〵て此国の人の立(たつ)処 又下の国の人の立処をもつて云(いわ)ば地を挟(はさ)み足(あし)と足とを合せ 立て一方は逆倒(さかしま)に立(たて)るがごとし此国の東はかの国の西也足合 の国なと云是也|釈氏(しやくし)地の底(そこ)に国ありて地獄(しごく)と云には大に異(こと)也 地の中(なか)にあらず底(そこ)にあらず地の上のつゞき也下の国にては又此国 を下とする也こゝに至(いたつ)て童蒙(どうもう)多(おゝ)く地毬(ちきう)の説(せつ)に迷(まよ)ひ解(げ)し兼(かね) て毎(つね)に疑(うたか)ふ天文暦家の書によつて発明すべし就中(なかんづく)天経(てんけい) 或問(わくもん)等に論ずること悉(つく)せり日本より北|極(きよく)を見ること地上 三十六|度(ど)なれは南極又三十六度地に入てみへずと云も地の 円(まる)きゆえ也天の三百六十五|度(ど)四|分度(ふんど)の一を地にも配当(はいとう)して 各国(かくこく)各|州(しう)に従(したが)ひ天|度(と)と里数とを測量(そくりやう)して地勢(ちせい)を知ること也凡|行程(かうてい)三十里 余にして星位(せいゐ)一|度(ど)を差(たが)ふ日の天を行くは一時に三十六度余にしてたとへば我が 日本|城州(じやうしう) 帝都(ていと)にて朝(あさ)日の出(で)の比(ころ)は異国(いこく)北|京(きん)の都城順(とじやうじゆん)天 府(ふ)《割書:今の大清(たいしん)|の都なり》などにては いまだ暁前(あかつきまへ)也日本 より東へ数里|隔(へだて)たる 国は日本日の出比は昼の四ッ時又は午(むま)の刻と東へ 寄(よ)る程|違(たが)ふ皆地の円(えん) なる故也猶|地毬(ちきう)に散(さん) 在(ざい)せる万国を五|帯(たひ)に わかち五大洲(ごだいしう)六大|洲(しう) の名あり所謂(いわゆる)亜細(あぢ) 亜洲(あしう)。欧羅巴洲(ゑうろつぱしう)。利(り) 未亜洲(みあしう)。北亜墨利加洲(きたあめりかしう)。南亜墨利加洲(みなみあめりかしう)。墨瓦臘尼加大洲(めからにかたいしう)。也 日本|唐(から)天竺(てんぢく)など皆|亜細亜洲(あぢあしう)に属(しよく)すと云|是等(これら)の細説(さいせつ)は輿(よ) 地毬(ちきう)六大|洲(しう)のお 略図(りやくづ) 地は もと より円 毬(きう)なるゆへ たとへば海 に船を浮べて 数年を経ば終(つい)には 大地を一|周(しう)【左ルビ「めくり」】すべし 此図平円に書 するは止ことを得 ざれば也毬(まり) のごとくの 円(えん)なるが 地の本 形(けい)也 万国は 紙面の 狭(せま)きゆへ 載(のせ)がたし