みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

訓蒙天地辨 天 - 翻刻

訓蒙天地辨 天 - ページ 16

ページ: 16

翻刻

半(ば)にして十五日を一定(いつてい)することなし日月ともに動物(どうぶつ)ゆへ朔望(さくほう) ともに其|刻(こく)あへてたとへば酉(とり)の初刻(しよこく)望(ぼう)なれば其刻|少(すこし)く過(すく)れば 忽(たちま)ち望(ぼう)は過(すぐ)る也日月の食(しよく)の其|刻(こく)に欠(かけ)て刻|過(すぐ)れは復(ふく)するが如し されば朔望(さくぼう)日刻(につこく)のごときは暦(れき)法|推歩(すいほ)によつて当月の合朔(がつさく) は何(なに)の日何の刻(こく)定望(ていぼう)は何の日何の刻と知ること也其|術(みち)を学(まな)んで つまびらかにすべし         ○月の出大く見ゆる 問て云日の出入は既(すで)に其|説(せつ)を聞(きく)しかるに月は出る時のみ大に見 ゆる理は日の出入と理|同(おな)じかるべからずいかん 答て云月の出る時大に見ゆるは大概(おほむね)日と理を同(おなじ)ふして又|異(こと) なり月は日の光(ひかり)をうけて明(めい)をなせ共地より見る時は日の没(ぼつ)せ ざる内は月|光(くはう)も日の光に奪(うばは)れて光(ひかり)薄(うす)し日|地下(ちか)に沈(しづ)んで地上 日光をうけざるに至(いたつ)ては月光いよ〳〵|輝(かゞや)き見ゆ尤是日月の 方にしてはいつも同根なれども其|居(い)る国の地上よりいふこと也此|故(ゆへ) に黄昏(たそがれ)の比(ころ)日|没(いら)んとして残光(ざんくはう)いまだ失(うせ)ず此時月東方に出て 大なれども光輝(くはうき)《ルビ:假|すくな》し日|深(ふか)く没(ぼつ)し夜となれば月|精光(せいくわう)を あらわし其かたちは却(かゑつ)て小(ちいさ)く見ゆる又日月とも昇(のぼら)んとして 東方に光を発(はつ)しつゞゐて形(かたち)を現(げん)ず此時は游気(ゆふき)を隔(へだて)て斜(なゝめ)に 見るゆへ其|形(かたち)大を覚ゆること也入る月は或(あるひ)は夜陰(やゐん)にして西に 沈(しづ)み又は半天(なかぞら)にして暁(あかつき)となりたちまち日光(につくはう)の為に其光 をおされなどするゆへ黄昏(くはうこん)東方に出る月の大を見るとは 違(ちが)ふこと也         ○三日月の正射(せいしや) 問て云三日の月あるひは正(たゞ)しく盃(さかづき)を仰向(あをむけ)たるごとき有又は斜(なゝめ)に して盃(はい)を覆傾(かたふける)ごとく見ゆ其|正斜(せいしや)【左ルビ「たゞしきなゝめ】にかつて晴雨(せいう)を預(あらかし)め占(うらなひ)知る などの説(せつ)いかん