みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

訓蒙天地辨 天 - 翻刻

訓蒙天地辨 天 - ページ 20

ページ: 20

翻刻

万国ともに見る所に して暈(かさ)ある共万国 一(いち)やうに雨|降(ふる)へからず 此理いかん 答て云|先(まつ)日の暈(かさ)は 水気(すいき)地より上(のぼ)つて 日にせまり囲(かこ)んで輪(わ) をなすよつて日転(てん)ず れば従(したかつ)て抱囲(いたきかこみ)ながら 転(てん)ず元来(ぐわんらい)上昇(せう〳〵)せる 水湿(すいしつ)の気なればその 濃厚(しやうこう)なるものは必(かならず)雨の徴(しるし)とす月の暈(かさ)も又左のごとし中天に升(のぼ)り 集(あつま)る水気を月は元(もと)より水|精(せひ)なれば同気(どうき)吸(すい)入れて輪(りん)を現(あらは)す 此ゆへに暈(かさ)の厚薄(こうはく)によつて或(あるひ)は雨又は曇(くもり)風を占(うらな)ふ暈(かさ) に星の見ゆるは其気|薄(うす)し但し日月ともに水気近より囲(かこん) で暈輪(うんりん)をなせ共元より日月は高く暈(かさ)は甚|低(ひく)したとへば 水気此処の上に凝(こつ)て暈(かさ)となれ共|彼(かの)国は快晴(くわいせい)隈(くま)なきが ごとし暈(かさ)はわづか数里の間に過(すぎ)ず此故に晴雨(せいう)其所に したがふ又日の暈(かさ)は月の暈(かさ)に比(ひ)すれば極(きわ)めて多く雨あり其 ゆへいかん上|升(じやう)の水気日に近づくもの多くは太陽(たいよう)の為に乾散(かわきさん)ず 甚|濃(こき)ものは強(しい)て日に近づき囲(かこ)む月の暈(かさ)は上升(しやう〳〵)の水気|微(び)に して薄(うすき)も同気(どうき)感(かん)じて近づきかこむ是|日暈(じつうん)の雨気(うき)多きに 如(しか)ざる所以(ゆえん)なり淮南子(ゑなんじ)に積陰(せきゐんの)気|久(ひさし)ければ水となる気(き)の精(せい) は月となると云ごとく水精(すいせい)の月なれば同気(どうき)を吸求(すいもとむ)ること 理(り)のある所なり          ○星(ほし) 暈(うん)【左ルビ「かさ」】