翻刻
海浜(かいひん)供浪(つなみ)
うちあげ
幷二
民家(みんか)等引込(ひきこむ)
危急(きゅう)の
形勢(ありさま)
夫海(それかい)へんに居住(すまい)の
人は に老夫(としより)を
うやまいしたい
古来(むかしい)ゟ危急(ききゅう)
のありし事なと
聞(きき)つたえ置(おき)
平生(つね)に心を
くばり雲気(うんき)潮(しほ)
のみち干(ひ)にしたがひ)
などあらば相互(あいたがい)に
申つたへその動静(ようす)を
つねにうかがうべしかく
する時はおのづから物の
覚悟(かくご)も次第(しだい)に出来(でき)て
危急(ききゅう)にうろたへざれば
命(いのち)を失(うしな)うに至(いた)らじ常(つね)に只(ただ)
風雲(ふううん)海潮(うしお)に心を入てみるべき也