翻刻
公明(こうめい)【あきらか】なる事なしラツチメントン《割書:人の|名也》佛郎斯国(ふらんすこく)の使(つかひ)と
して共和国(きよくわこく)アルケントンテンス《割書:国の|名也》に至(いた)りし時パレース
《割書:佛郎斯の|大都府の名》の学校(がくかう)より地震 前兆(ぜんてう)【まへのきざし】発明(はつめい)の一法を伝送(でんそ)【つたへおくる】せ
しなりその法は鉄(てつ)の小片(こかべら)を磁石(しやく)に附着(ふじゃく)【つけつくる】せしむる
者(もの)にして他物(たぶつ)【ほかのもの】を用(もちゆ)るにあらず地震には磁石(じやく)その
鉄(てつ)に親和(しんくわ)【すいつく】するの力(ちから)暫時(しばらく)の間(あいだ)消滅(せうめつ)【きえる】すゆゑに附着(ふじやく)【つきつく】の
鉄(てつ)かならず落下(らくか)す是をもつて地震の前兆(ぜんてう)とす
ラツチメントン《割書:人の|名》曰(いは)くアルケンテン《割書:地|名》の術(しゆつ)達(たつ)し学(がく)精(くは)しき
の将アレキイハ《割書:地|名》に多年 偶居(ぐうきよ)ありし間 磁石(じやく)にその巧(かう)
能(のう)ある事をしば〳〵|試験(しけん)しこれを確定(かくてい)せしとア
レキ子ーハ《割書:地|名》は地震 極(きは)めて多(おふ)き地なればなりこの
一大|発明(はつめい)はパレースの学校(かくかう)を待(まち)てはじめて世に知ると