翻刻
雷には頭痛(づつう)し震に腰なやみ震雷を的然に知る
ものあり男は稀にして女に多し此類ひにまて心を用ひて
前表をさとらは天災は避すとも怪我(けが)あやまちは有べからず
物又逃出るときに至り火|鉢(はち)へ土|瓶(びん)をかけ焼(たき)火をしめす
なるは古く云伝えて誰も知る處なから急速(きうそく)にしてゆき
としらすは鎮りて後すみやかに手段すべし途中に
往古よ里又は逃(にげ)出ての途中|総(そうじ)て遠く見渡すことなかれ
空をながめ地を見るべからす動気(とふき)五|臓(ぞう)にうつりて
気|血(けつ)狂(くら)ふなり只々近辺の建(たち)家長屋石垣杯崩れ倒るゝ
とも気遣なき場所を見さだめてこれに眼(め)をつけ同し
所に彳(たたずみ)てあゆむが如く是を踏(ふみ)かえ〳〵地気のうつらざる
やうにすべし大地震の後引つゝき幾度(いくど)も震ふこと有
夫なりにて止(やむ)もあり汐(しほ)時定まらざるうちは何度も震ふもの
にて跡のなきは凡三十余時も過て汐時さだまるなり
海なき國は江の水井の水|涸(か)れ溢(あぶ)るゝにて知るべし
又|仏郎西(フランス)にて地震をするために震刻計(しんこくけい)を造(つく)る
其図左にあらはす