みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

震雷考説 全 - 翻刻

震雷考説 全 - ページ 21

ページ: 21

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と云説ありとも雷に血汐(ちしほ)あるいわれなし彼(かの)雷獣などか いぶかしきことなり殊(こと)に鎗は延元(えんけん)建武(けんぶ)の頃|楠正成(くすのきまさしげ)の臣天野 某短刀を竿(さほ)にくり込用ひたるを始として慶長の頃宝 蔵院|覚禅坊(かくぜんほう)貴?(き)人より十文字鎗を授(さつ)かりしなどはみな 方便(ほうべん)なるへし直鎗(すやり)を十文字に改たり説は覚禅棒文月(ふみづき)の 頃残暑(ざんしよ)を凌かんとある夕暮大和川のほとりに出て納涼(なうりやう)せしが 好(この)める道とて槍をしごきたのしみ居たるに片はらの藪(やぶ)の 中より獺(かはふそ)駈(かけ)出し川へざんぶと飛込むところを得たりかしこ しと突(つき)かけけるにいかゝしけむ流石(さすが)の名人突そんじアツト云いつゝ 鎗もひかず汗をふきて嘆息(たんそく)したり折しも水面を詠(なが)むれは 鎗の身のなかばに三日月さし移り十文字にみへたりあはや 此かたち有ならは今の獣(けもの)を突とむへきにと夫より工夫して 三日月十文字と号(ごう)し鎌鎗(かまやり)を始めたりといへとも其以前 も鎌鎗あり最も鎗ははるか後に出来たる道具ながらも當 時は第一の武器となり鎗先の高名を専要として一番鎗 其外鎗下(やりした)三段ありに引かへ武士を弓とりまたは 弓矢の家と云けるも時と押うつれは備に鎗脇の弓 あり猶渡世いかなる兵器(ひやうき)流行(りうこふ)せんもはかりかたし何に□