みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

雷震記 完 - 翻刻

雷震記 完 - ページ 10

ページ: 10

翻刻

黒し爪五本ありて甚たくましく先年 岩付に落たる雷獣ハ大躰今年のに似 たりといへども胴短く色灰白色なり唐 の書にも往々見たれどもいづれともた がい多し唐の《ルビ:狄仁傑|てきじんけつ》がかたち人に似て 殊に人語をなセしといへり又李肇が 国史補に日雷州に雷獣多し其かた ち人に似て人是をとつて食ふといへり 捜神記にハ雷のかたち獅猴に似て 色赤といへり我国にも土佐の国にハ 春夏の比山中にて雷ノ獣を討取食ふ 其味《ルビ:星鮫|ほしさめ》のごとく甚美なりといへり又 信濃深山にも此ものをとり食ふ房州二山 といふ所にハ正二月比村民いゝ合て雷 《ルビ:猟|がり》とて山中を猟出し取るといへりし からざれバ其年夏秋雷多しといゝ伝ふ 寺嶋氏の三才図絵に詳にのせたり又 加賀の国石川郡《ルビ:白|白》山権現一名妙理権 現此山中に雷といふ虫あり大サ略蛙の ことくして春中《ルビ:夥|おゝ》く出る年ハ其年