翻刻
いひ又沈ノ存中が筆談に雷の落たる
木の下ニて雷楔を得たり斧に似て
《ルビ:孔|あな》なしといひ又時ノ珍が雷ノ書を引て
雷斧ハ斧のごとしといへるものなり
又一ノ種ハ経二ノ寸許にて形ハ禅僧の《ルビ:掛|くわ》
羅にかくる《ルビ:環|くわん》のごとく色白く少〳〵
青ミありと是すなハち雷ノ書に出たる
雷ノ環なり又一ノ種ハ長さ四五寸かたち
牛の角のごとく色紫ノ黒にして末の
鈨うす青く本は右にいふ天ノ狗の
爪のごとく至て硬きものとこれ又雷
青に雷《ルビ:鑚|さん》ハ長さ尺ノ餘《ルビ:銅鉄|どうてつ》のごとし
といふものにや又世間に天より降たる
釼などと云伝ふる物ありこれも雷ノ鑚の
類なるべきか又大坂の人先年《ルビ:安治|あじ》川にて
雷のおちたる跡の泥中より得たるとて
一ノ塊ノ掌の大さにて《ルビ:乾漆|かんしつ》のことく石に似て
石にあらずこれ《ルビ:刘恂|りうしゆん》か山《ルビ:領表録異|れいへうろくゐ》の
雷ノ公ノ墨といふものか其外雷ノ碪雷ノ鎚
雷ノ銖等色形かハれども悉く此種ノ類