翻刻
春秋に星頂て石となるとあるも此理な
り人の身も神と気ハ陽にてかたちなし精と血とハかたちあるなり
〇また雷の隕たる跡に樹木或ハ柱など
に文字のすはり有事あり是を雷
書と云五字十字或は二十字出るも
あり中ノ華にハ度々有之由往々《ルビ:典籍|てんせき》
に載たり其文字の内多ハ謝ノ仙ノ火の三
字とく備る事これ又一ノ奇ノ事なり
くわしくハ北ノ山医ノ話に出所を書出し載せ
侍るゆへ是に略す惣して雷の隕〳〵
樹木なぞうちさきこがれたるを雷ノ震ノ木
と名づけ心気の弱きものなど雷における
人なと守りに用ゆ又此雷震ノ木を家の
内に貯ふれバ火ノ災を避けるよし本草
に見たりされバ雷ハ陰ノ火なれバ気の
火を禦く理なり故に雷火にて家居の
焼昇る事あれバ陽火をもやしうちつ
くれハ忽ち消又灰をかけても消よし
陰陽互に相制する自然の妙なり
右之條々雷を畏るゝ人のために聞伝