翻刻
の呪(ましない)あり庭中に桑の木を植夫桑ハ
神木といゝ伝へ殊に桑の弓を以て邪
鬼を払術もあれば雷よけにもなるべし
又木さゝげといふ木も同じく雷を避(さ)
く是は梓木の一種にて功能すぐれた
家木なり《ルビ:羅願|らくわん》が《ルビ:爾雅翼|じがよく》に《ルビ:屋室|おくしつ》の
中に梓壱本はしらに有てバ餘村皆
震セすといふ故に異名をも木王と名く
又《ルビ:七竃|ななかまど》といふ木をも植是は漠名いまだ詳
かならずといへども七ハ場ノ数竃ハ火気を
貯る所なれバ陰邪を《ルビ:禦|ふせ》がん為の呪なるべし
又南天を植るも南方火徳を表し
其実の赤きも火の色なるゆへ給陰火を
禦がんかためなるべし又加茂葵を所持
する人ハ雷にうたるゝ事なしといゝ伝ふ
《ルビ:諶|まこと》に加茂の御神ハ《ルビ:別雷|わけいかつち》の《ルビ:霊社|れいしゃ》と承れ
バ其霊社より分ち恵たまふ神符なれ
バそを有べきにや殊に加茂の葵ハ細辛
の一種なるよし《ルビ:怡顔斎 |いげんさい》の用薬湏知に
載たれハさもあらんか夫細辛は気